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閉鎖した世界。
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07 , 25
人の死というものがすぐそこにありながら、その現実味を受け取れていない。
それほどあいつは遠い存在だったのだろう、と考えるが、
今の自分を形成する上で、あれの存在は確かに大きな影響を受けた一人だ。
悲しくない、と言えばきっと嘘だろう。
やはりショックを受けた。

しかし、痛みを得るほどの悲しみにはならない。
比較的、高校時代に近しい距離に居た僕だからこそ、あれの死は悲しくない。
きっと、微妙に遠くにいる人間の方が悲しんでいるに違いない。
あれが、最初から死を前提に生きていたことを、果たしてどれだけの人間が知っているか。
不思議と、あいつの人生を振り返ると、この寿命を知っていたかのように、
やたら刹那的で、自分の命や人生をリスクに掛けたがっていて、
その奇妙に面白おかしい生き様は、魂を売り飛ばして生きているように見えた。

おかしな話、憧れの一つでもあった。
あのアウトローな生き様、恐れ知らずの脱法生活。
その自由で自分に忠実でむちゃくちゃな生き様を、どこか羨んでいた自分がいる。
『世界』というものに対して、あいつは常に一歩外側に出た位置を目指していた。
だから、憧れたのか。
あいつの見ようとしてた世界の外側は、チャンスとピンチの狭間だったから。

今、自分とあいつを照らし合わせてみて、
その立ち位置があまりに遠すぎたことを、改めて痛感する。
学生時代から既に、あまりにも離れすぎた歩数。差のありすぎる歩幅。
その歩幅が大きすぎたことが仇になったのだろうか。
あいつは一体、何歩先で、どれだけ大きな落とし穴にはまったのだろう。
何となく、その感覚を理解するのはずっと先のような気がする。

騙し、騙され、利用し、利用され。
あいつはその辺の駆け引きが上手だったが、きっとそれゆえなんだろう。
人を小バカにしたような態度で、まるで悪魔のようにせせら笑っては、
こっそり漁夫の利を持っていくのに長けていた、そんな男。
全く……可哀想とすら思えないんだよな。

悪いヤツじゃなかった、なんて言うつもりはない。
あいつは悪いヤツだった。
けど、嫌なヤツではなかったし、面白いヤツだった。
いつだって世界の半歩先を見て、次のステージを先取りするようなヤツだった。
もしかすると、アイツが本気を出していたら、
世界の1%くらいの人間を驚かせるような、
そんな何かを作り出していたかもしれない。

千葉県の誘拐殺人事件がピックアップされ続ける裏側で、
あいつの事件は世界にとって小事とみなされてしまったらしい。
NHKでは報道されず、民放でも特ダネというほどのモノにはなっていない。
盗まれた金額が少なすぎたせいだろう。
よくある話だったからだろう。

それでも。
こんな形で失われたあいつの命を、あいつの無念を、
できれば、これだけで終わらせたくはない。
そう思う。

墓が出来たら花くらい手向けてやりたい。
きっと葬儀は身内だけで行うはずだから、場所もわからないかも知れないが。
新聞のお悔やみ欄でも見ておけば、何かわかるだろう。
……冥福を、祈ってやるよ、旧友。
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