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閉鎖した世界。
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08 , 29
原作を読んでみた。
アニメから入るには、少しもったいない気がしたから。
たまたま昨日、NHKの番組に原作者の上橋菜穂子さんが出ていて、
作品の成り立ちについて語っていたのを見て、より良く読ませて頂いた。

元々、上橋先生は川村学園女子大学の教授様。
オーストラリアのアボリジニーなど、民俗学に精通しており、
彼らの生活体系などを参考にしたとか、そういうレベルではなく、
もはや民俗学的な生活風景が体感として沸いてくるのだと言っていた。
匂いがあり、温度があり、風景があり、そこから生活が感じられ、
国を知り、町を知り、民族を知り、そして改めて人を知るのだと。
ミクロに、マクロに民俗性を捕まえて、本当にそこに住んでいるかのように、
上橋先生の世界は描かれていて、だから、その住人たちの姿は生き生きしていた。

主人公エリンは、これまで日本で作られてきたヒロイン像の中でも、
かなり稀有な部類に当たると思う。
どうしても日本の女の子主人公は、王子様的な男の子の出現が避けられない中で、
エリンはただひたすらに生きて、獣の生き様を追いかけて描かれていく。
どちらかと言えばジブリ。
もしかすると、チャングムの誓いも形態として近い。
アニメのヒロインとしては、本当に珍しいタイプの少女だ。

だから、とても魅力を放っている。
純粋に、自分の信念を追いかける姿というのは、男女問わず美しい。
エリンの生き物への好奇心と、そこに傾ける愛情というのは、
人の世の愛憎に満ちたくすんだ色ではなく、透明な、優しい色をしているのだ。

エリンの住む世界も、今のこの日本と同じように歪んだ社会構造をしている。
権威だけの王、権力を振りかざす臣下、体制変化を望む悪しき声。
少女の成長だけではなく、国家の有様、民族の対立なども描かれていて、
少年少女のみならず、大人、それもかなりの年の大人まで楽しめる作品だと感じた。

先日、第三巻、第四巻も発売したとのこと。
これはぜひ、最後まで読み通しておきたい。
今の俺に、今の世に足りないものがそこにあるような気がする。
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